月別アーカイブ: 2014年11月

HUG(避難所運営ゲーム)を含む図上訓練 (三川町)

11月12日に山形県三川町で行われた図上訓練の模様です。三川町の若手職員32名が参加しました。中央防災会議専門委員・東京経済大学名誉教授の吉井博明先生が講師を務められました。防災&情報研究所は訓練管理者として参加しました。

三川町では今年1月「災害時職員初動マニュアル」を作成し、防災・減災に取り組まれています。今回は、マニュアルを読むだけでは得ることが難しい発災時のイメージ確立と被害情報の具体的な集約方法、そしてHUG(避難所運営ゲーム)を通して避難者対応を学びました。特にグループワークの形態を取ることにより、参加者同士がお互いの意見を出しあい理解を深めることも目的のひとつです。

今回は4つの項目を取り上げました。①発災時のイメージ確立、②発災直後の庁舎等の安全確認、来庁者・職員の安否確認及び避難所開設準備、③被害情報のとりまとめ、④避難所運営ゲームです。

仮想の避難所(ここでは小学校体育館)に次々と避難者がやってきます。避難者の居住場所、家族構成(年齢、ペット含む)、それぞれの要望は全く異なります。それらを次々と判断しながら、適切な場所へ配置していくには、様々な配慮が必要です。この内容は事前に知らされていません。その内容に応じて、その場の判断を適切に行えるかどうかが訓練の対象となります。訓練終了後、避難所での課題を整理し、運営アドバイス行います。

 

本訓練は4時間では少し時間が足りなかったようです。ただし、初動の大切さを学び・理解すると同時に避難所での疑似体験も同時にできる貴重な訓練です。図上訓練では、様々な状況を想定してプログラムすることが可能です。

 

注)本研修は、(一財)消防科学総合センターが、総務省消防庁並びに(一財)全国市町村振興協会等の協力を得て実施する「市町村防災研修事業」の一環として実施するものです。

土砂災害ワークショップ (東京都八丈町)

11月23日に東京都八丈町で行われた土砂災害ワークショップの模様です。八丈町大里地区の方々を中心に約30名が参加しました。東京都八丈支庁主催です。八丈町の警察、消防、地元の消防団も参加しました。中央防災会議専門委員・東京経済大学名誉教授の吉井博明先生と当研究所土屋が講師を務めました。

八丈町大賀郷地域では、河口交差点の土砂災害危険区域に対し平成33年完成予定で砂防ダムを建設する計画が進んでいます。今回は昨年の大島町を襲った台風26号による土石流災害や今年8月の広島豪雨土石流災害を踏まえ、「いざという時、どうするか?」を参加者で考えました。実際、皆で河口交差点及び堰堤計画地近くのタウンウォッチングを行い、その後土砂災害危険区域や避難所を地図に落とし込み、避難する場合の経路を確認しました。

今年4月に公表された「内閣府避難勧告等の判断・伝達ガイドラインについて」のポイントを説明し、自分の命は自分で守る場合に活用できる情報源を紹介しました。そして、過去の事例として、2011年紀伊半島大水害、2013年秋田・岩手豪雨災害、台風26号による伊豆大島土石流、2014年広島市土石流災害を振り返りました。

まとめとして、ある状況設定において、どのような対応を取るか皆で話し合いました。多くの方々が素早い避難行動を取るのが良いと発言されました。また、単独行動ではなく、声を掛けあって避難するという意見もありました。大里地区は、八丈町でも古い地区のひとつで、人々の絆も固いことが伺えました。万が一、避難所への道路が土石流等で遮断されたら、土石流の危険が少ない建物に避難すること、それも困難な場合は、家の中で安全な場所(2階あるいは山と反対側)へ避難することを確認しました。

 

(参考)南海タイムス記事