“かながわ人と智をつなぐ防災・減災ネットワーク”からのお知らせ No.21

配信日:2020年12月28日

関係各位
 

かながわ人と智をつなぐ防災・減災ネットワーク
委員長 荏本 孝久(神奈川大学教授)

 
 全世界が新型コロナウィルスCOVID-19に翻弄された2020年(令和2年)が暮れようとしています。神奈川県下では、昨年度まで活発に開催されていた防災関連集会やイベント、総合防災訓練などが相次いで中止ないしは延期を余儀なくされるなか、学校で防災教育を行ったり、リモートで被災地支援を行った団体やオンラインを通じて防災講習・講演会等を開催した団体もありました。
 2021年(令和3年)においては、1月の阪神・淡路大震災関連イベントや発災から10年を迎える東日本大震災関連のイベントなどについても多大な影響を受ける可能性が高いと思われますが、神奈川大学においては、今年3月に開催を予定し中止に至った「防災フォ-ラム」(主催:神奈川大学、企画・運営:神奈川新聞社)を来年2021年3月6日に開催することとなり、現在企画が進展中です。また、防災塾・だるま(塾長:荏本孝久)におきましても、2月に第179回防災まちづくり談義の会を開催する予定です。
 
 本“かながわ人と智をつなぐ防災・減災ネットワーク”が主催する防災・減災集会については、来年の開催目処が立っておりませんが、本メルマガを通じ、防災・減災に関連するセミナーやイベントなどをお知らせし、皆様と情報を共有していきたいと存じます。現在企画中の行事等についても、詳細が固まりましたら、年明け後にご連絡いたしますので、来年も引き続き、よろしくお願いいたします。
 
本メルマガに対する皆様からの積極的な寄稿をお待ちしています。
投稿先e-mail:idpis2@idpis.co.jp
 
 


◆◆◆ 「かながわ・よこはま防災ギャザリング」オンライン開催(2021年1月10日~24日)のお知らせ ◆◆◆

 
 2020年5月9日(土)に開催を予定していた「かながわ・よこはま防災ギャザリング2020・体験フェア―」は、新型コロナウイルス感染症拡大抑制のため中止となりましたが、防災ギャザリング実行委員会では開催の準備を進め、この度、オンライン配信にて開催することとなりました。
 会期は、2021年1月10日(日)~24日(日)までの10日間です。この間に、防災ギャザリング実行委員会URLからご覧ください。これまで会場に足を運べなかった方も参加できるようになりますので、たくさんの方々のご参加をお待ちしております。
 
□「かながわ・よこはま防災ギャザリング2020」
□ 2021年1月10日(日)~24日(日)
□ 主催:防災ギャザリング実行委員会

□ 開催案内は、チラシをご覧ください。
 「かながわ・よこはま防災ギャザリング2020」へは、1月10日から開設される下記のURLからご参加ください。

  https://www.bousai-gathering.com/
 
 


◆◆◆ 防災教育「洪水からの避難」を実施(川崎市立高津高等学校) ◆◆◆

 
寄稿:川崎市立高津高校 小林和紀教諭
 
 川崎市立高津高校では、2020年3月4日から5月31日まで臨時休業の措置がとられ、4月7日に入学式を挙行したもののオンラインを中心とした授業となり、6月からは徐々に通常授業に移行しました。
 本校は体育館が狭く、新型コロナウィルス感染予防の観点から、避難訓練の実施が大変厳しい状況になっており、中止となりました。そこで、市の教育委員会や危機管理室と相談をして、避難訓練に替え、線状降水帯や台風による洪水対策に対する「洪水からの避難学習」を初めて実施することにしました。
 川崎市は、昨年10月の台風第19号で、多摩川沿いの河川が氾濫し浸水被害を受け、33,150人が市内158箇所の避難所に避難しました。この中には、本校生徒・保護者も含まれております。いま求められることは、新型コロナウィルス感染の予防をしつつ、いつ、どのような準備をして避難所に行くかなど、極めて短い時間のなかで行動しなければならない判断力の育成、そしていかに早くからの避難準備を教えていくかです。これらの内容を夏休み前に行っていきたいと思い、5時間目の「総合的な探究の時間」を活用し、クラス担任を講師として、7月30日(木)に防災教育「洪水からの避難」を全校で実施しました。これは、ある程度の指導案を提示したうえで、教員ひとりひとりの体験と言葉で伝えていくことが、学校全体の防災力を高めていくことにつながると考えたからですが、教員のなかには、今年7月に熊本で起きた洪水(令和2年7月豪雨)に被災し、避難所生活をしている両親がいる教員もおり、地元TVの映像を紹介しながら、真剣に生徒に訴えていました。
 高津高校は浸水危険域内に位置していますが、一階部分に教室が無いため、今年から洪水時の避難所に指定されました。授業では、自分の住んでいる区のハザードマップを配布し、自宅近くの浸水予想を確認して、いつの時点でどのような行動をとるか「マイ・タイムライン」の作成等を行いました。また、「感染予防を意識した非常持ち出し品のチェックシートの確認」、「空振りを恐れず行動する大切さ」、「雨が止んでも油断しないこと」、「家族で自宅周辺のハザードマップを確認すること」などを学んでいきました。
 危機管理室によれば、川崎市は全市で40%が浸水する恐れ、場所によっては最大浸水深20メートルとなる場所、水が引けるまで4週間かかるエリア、763か所の土砂災害警戒区域があるとのことです。この数字もしっかり伝えて、避難所では、「自分の命を守り、被災者ではなく地域防災活動の先頭に立って活動することができる」人材の育成を目指していきます。
 

※配布資料:「号外!備えるかわさき」「マイタイムライン・ワークシート」(裏面は感染予防を踏まえた非常持出品チェックシート)川崎市内生徒在住区ごとの「ハザードマップ」

 
中心となって企画した小林和紀教諭は、前任の川崎高校で総務省消防庁の防災まちづくり大賞受賞に導いており、高津高校でも活躍が期待されます。
 
 


◆◆◆ 2020年度 ひらつか防災まちづくりの会主催の防災講演会開催報告 ◆◆◆

 
寄稿:ひらつか防災まちづくりの会 代表 山田美智子
 
 ひらつか防災まちづくりの会では、2020年12月5日(土)に、防災講演会をひらつか市民活動センターで開催しました。第1部の講師は水害対策の専門家で、「首都水没」、「水害列島」などの著者であるJRRN(日本河川・流域再生ネットワーク)代表理事の土屋信行氏でした。「水害を文化にする」をテーマに、自然の脅威の増大の背景と洪水の姿が変わったのは私たちの生活の変化に原因がある。先人の暮らしに学ぶ水防の作法を知ることが大事。今は「捨て間伐」の状態が多く、森は次の水害を招く危険地帯となっている。その他台風19号の時、完成した八ツ場ダムが利根川の決壊を未然に防いだことや、江戸川区の防災対策など土屋講師の実例を駆使した熱弁に時間がたつのを忘れたとの受講者の感想がありました。
 第2部では、ひらつか防災まちづくりの会発行の防災冊子をどのように活用していただき自分たちの住む地域の災害リスクを知り防災対策を進めていくのかについて、(株)地圏環境テクノロジー相談役の西岡哲さんが雨量による地元平塚のシミュレーション映像を見せながら講義をしました。
 会場参加とZoomオンライン併用で多方面の方に参加していただき「集中豪雨に見舞われたら」というテーマで話し合いをすることもできました。
 

※「ひらつか防災まちづくりの会」発行の『防災冊子』「あなたの家は大丈夫?みんなで考えよう平塚の自然災害」をご希望の方に、300円の寄付(郵送料込500円)をいただき、お配りしています。
ご希望の方は、ひらつか防災まちづくりの会事務局(FAX:0463-34-5738 メール:goten463moon@outlook.com)までお問い合わせください。

 
 


◆◆◆ 平塚市「防災ひらつかチャンネル」のご紹介 ◆◆◆

 
 平塚市では、危機管理部災害対策課の若手職員が担当する「防災ひらつかチャンネル」という防災に関する情報をユーチューブで随時発信しています。
ユーチューバーは、内閣府に出向して研修も受けた災害対策課の平松佑一さん。
1分でわかる防災講座を始め、防災をわかりやすく、楽しく伝えています。
ぜひ、「防災ひらつかチャンネル」をご覧になってください。
「防災ひらつかチャンネル」URL
 https://www.youtube.com/channel/UCfEaWkgRgZTa87rme4iid8w
 
 



 

※本ネットワークでは、神奈川に関連するさまざまな防災・減災に関連する情報を発信していきます。

本メールへの問合わせ先: (株) 防災&情報研究所
e-mail:idpis2@idpis.co.jp
Tel:03-3249-4120  Fax:03-3249-7296
 
 
本メールは、文部科学省の地域防災対策支援プロジェクト等でご支援・ご協力いただいた団体・個人の方々にお送りしています。
“かながわ人と智をつなぐ防災・減災ネットワーク”は、神奈川県下の官学民連携による防災・減災活動の活性化のための情報提供・交流等を目途に、平成28年3月に、人と智のネットワークを促進するために発足致しました。