関係各位
今年の夏は7月の猛暑で始まりましたが、いつの間にか前線の停滞による長雨が続き、西日本を中心に豪雨災害が多発しました。その後、また猛暑に戻り熱中症対策が喚起されるなど、天候の変化が著しい様相を示しました。気候変動の影響が大きくクロ-ズアップされ、その対策が大きく求められるようになっています。
一方で新型コロナウィルス感染者数が増加し、関東圏等に緊急事態宣言が発令されているなか、開催が懸念されていた2020東京オリンピック・パラリンピックが終わりました。この数週間、感染者数は漸減しているものの、若い世代に多く広がっており、亡くなられる方も増えてきています。東京都、神奈川県をはじめとする19都道府県では、緊急事態宣言が9月30日まで延長されることとなりました。また、梅雨期を思わせる長雨が続き、東京地方には9月4日から「低温注意報」が出されるなど、異常気象が続いています。
そのようななか、オンラインを活用しての防災関連講座などが開催されていますので、いくつかご紹介します。
2023年は関東大震災より100年。昨年で阪神大震災四半世紀を経て、今年は東日本大震災より10年です。また、世界的感染症拡大を克服する闘いの最中にあります。巨大災害の教訓は社会も災害対策も変化させ、現在は「防災の新時代」への重要な過渡期にあると考えられます。防災を自助、共助、公助の観点から見れば、進捗した面、課題が残る面もあり、それを統合する「地域社会の連携と参画」という推進すべき大きな課題も見えてきます。
神奈川大学と防災塾・だるまが連携して開催する本講座は、家庭の防災、自治会・マンション等での防災、公助と連携した防災など多様な課題意識をもって防災活動に取り組まれている受講者のニーズに応え、情報提供を目指しています。
■講座日程 全3回 (オンライン講座【ライブ配信 (録画あり) 】)
第1回 9月30日(木) 14時~15時20分
第2回 10月7日(木) 14時~15時20分
第3回 10月14日(木) 14時~15時20分
■会場:オンライン
■受講料:4,000円
https://www.ku-portsquare.jp/site/course/detail/3452/
2011年3月11日の東日本大震災を機に始まった神奈川大学の市民向けの大規模災害に関する特別講演会(前期)、連続講演会(後期)は、2020年度までに通算約80回近くとなり、学外からも大規模災害や防災の専門家をお招きして多角的に現状の問題や今後の課題などの検討を行ってきました。
本年3月6日に開催した「かながわ防災・減災フォーラム」では、東日本大震災の発生から10 年目の節目を迎え、この間に大規模災害から学んだことや、今後起こり得る首都直下地震や気象災害などに備えるために地域で何をすべきかなどを検討しました。
同フォーラムでの問題提起を受けて、2021年度後期連続講演会では、東日本大震災の教訓と今後の防災対策、歴史地震としての関東大震災の意味、関東地域における巨大地震・津波の履歴、地域で備える防災・減災対策、三陸被災地における復興の問題点などを検討して、21世紀における防災の課題を明らかにしていきます。
■講座日程 全5回 (オンライン講座)
第1回 10月30日(土) 14時~16時
「東日本大震災の教訓と新たな防災対策」
第2回 11月6日(土) 14時~16時
「復興百年誌-現代に生きる関東大震災」
第3回 11月13日(土) 14時~16時
「関東地域における巨大地震・津波の履歴」
第4回 11月20日(土) 14時~16時
「大規模災害と犠牲者-阪神・淡路大震災と東日本大震災からの警告」
第5回 11月27日(土) 14時~16時
「グローバルな視点からの防災戦略の重要性-災害共存社会の必然性」
https://www.ku-portsquare.jp/site/course/detail/3511/
年々リスクが高まってきた首都直下地震に備え、行政は耐震化促進の制度を設け、旧耐震基準の建物に住んでいる方々や賃貸アパートの大家さんに対して広く働きかけてきました。しかし、制度の利用の仕方がわからない、現在の住いで特に問題はない、耐震診断しても改修費用が心配等の理由で耐震化がなかなか進んでいません。
どうすれば大切な家族や財産、自分自身の命を守り、被害を最小限にできるでしょうか。
今回は、自治会などの地域組織が、旧耐震基準の建物の持ち主の思いを聞きながら、耐震化を進める方法について提案いたします。
http://darumajin.sakura.ne.jp/30dangi/dangi2021/183dangi_leaf20210917.pdf
防災塾・だるまが主催する 第182回防災まちづくり談義の会が、去る7月27日(火)午後2時~3時45分にかけ、横浜市青少年育成センター 第1研修室の会場とオンラインにより開催されました。
第1部では、東日本大震災の大津波で石巻市の大川小学校で次女を亡くされ、この10年間に講演や伝承活動をされている佐藤敏郎氏から、「あの日失われた命に意味づけをするのは、生かされた私たちの役割」の講演がありました。
佐藤氏は、大川小の津波被災時の状況を動画を使って説明され、普段なら簡単に登れる山への避難が出来ず、危険を判断できないパニックが起きてしまった。生死が分かれる時の判断と行動が大事だと強調されました。学校に協力的な地域であったが、津波避難所などについて、学校と地域で話し合われる機会も呼びかけもなく、ハザードマップでは、津波は学校まで届かないとされ、浸水地域に避難所もあった。この10年間「未来を拓く」を合言葉に、我が子の死を無駄にしたくない、救えなかった命を仕方ないとせず「あの日何があったか真実を知りたい」ということと、教訓を未来に生かしてほしいと活動を積み上げてきた。石巻市教育委員会から新任校長研修会や初任者の研修会の講師依頼をされるようになっており、課題を理解してもらえたと思う。初任者は、娘が生きていれば同い年である。最高裁の判決も含め、10年の活動の積み重ねと変化を感じる。などが話されました。
第2部では、防災塾・だるま塾長の鷲山氏から、「教訓を生かした防災まちづくりはかなり実現できる。法的整備で全国標準に」の講演がありました。鷲山氏は、以前着任した北綱島小学校と次の太尾小学校で、防災教育の在り方と防災まちづくりに取り組み、「自助、共助、公助で連携できる防災教育と防災まちづくり」の連携を模索したことを踏まえ、「地区防災計画」で学校が地域社会に参加して変わっていくよう、「総合的防災まちづくり構想」が提言されました。
講演の後、参加者も交え、「命を守る」ことを「自分で判断し行動」できる防災教育が大切であること、学校と地域の連携が重要であることなどの意見交換がなされました。
前回No.24でお知らせしました「第10回建設フォーラム「災害激化とその対策、そして SDGsへ」未来を担う建設業」は、8月23日に開催予定でしたが、延期となりました。今後、日程等が決まり次第お知らせいたします。
(事務担当 一般社団法人神奈川県建設業協会 事業部 川久保、杉原)
TEL:045-201-8453 FAX:045-201-2767
メール:soumu@shin-ken.or.jp
前神奈川県温泉地学研究所の加藤照之氏(大正大学地域構想研究所)が、神奈川県温泉地学研究所発行の『観測だより第71号』(令和3年4月発行)で、「南海トラフ地震と日本の地震予知研究」を執筆されています。
これは、南海トラフ地震を中心に、日本の地震予知研究を振り返って現在の予知体制とともに防災体制と備えについて詳しく書かれています。地震予知研究の現状を理解する上で参考となりますので、ご覧ください。
https://www.onken.odawara.kanagawa.jp/files/PDF/tayori/71/onkendayori71-01.pdf
本メールへの問合わせ先:(株)防災&情報研究所
e-mail:idpis2@idpis.co.jp
Tel:03-3249-4120 Fax:03-3249-7296
本メールは、文部科学省の地域防災対策支援プロジェクト等でご支援・ご協力いただいた団体・個人の方々にお送りしています。