11月23日に東京都八丈町で行われた土砂災害ワークショップの模様です。八丈町大里地区の方々を中心に約30名が参加しました。東京都八丈支庁主催です。八丈町の警察、消防、地元の消防団も参加しました。中央防災会議専門委員・東京経済大学名誉教授の吉井博明先生と当研究所土屋が講師を務めました。
八丈町大賀郷地域では、河口交差点の土砂災害危険区域に対し平成33年完成予定で砂防ダムを建設する計画が進んでいます。今回は昨年の大島町を襲った台風26号による土石流災害や今年8月の広島豪雨土石流災害を踏まえ、「いざという時、どうするか?」を参加者で考えました。実際、皆で河口交差点及び堰堤計画地近くのタウンウォッチングを行い、その後土砂災害危険区域や避難所を地図に落とし込み、避難する場合の経路を確認しました。
今年4月に公表された「内閣府避難勧告等の判断・伝達ガイドラインについて」のポイントを説明し、自分の命は自分で守る場合に活用できる情報源を紹介しました。そして、過去の事例として、2011年紀伊半島大水害、2013年秋田・岩手豪雨災害、台風26号による伊豆大島土石流、2014年広島市土石流災害を振り返りました。
まとめとして、ある状況設定において、どのような対応を取るか皆で話し合いました。多くの方々が素早い避難行動を取るのが良いと発言されました。また、単独行動ではなく、声を掛けあって避難するという意見もありました。大里地区は、八丈町でも古い地区のひとつで、人々の絆も固いことが伺えました。万が一、避難所への道路が土石流等で遮断されたら、土石流の危険が少ない建物に避難すること、それも困難な場合は、家の中で安全な場所(2階あるいは山と反対側)へ避難することを確認しました。
(参考)南海タイムス記事